第8回【飲食店に必要な最低限の設備!】①概要編


飲食店を開業するには、業態・店舗の規模を問わず、食品衛生法によって共通の基準が定められています。この基準を満たしつつ、飲食店のデザインや設計を考えなければいけません。

今回は、飲食店を開業するにあたり、上記に関する設備の知識の概要をまとめていきたいと思います。

これを読めば、飲食店開業に必要な最低限の設備の概要を知ることができます。

ほこりやネズミ、昆虫の侵入防止

ほこりやネズミ、昆虫が建物内、特に厨房内に侵入しないように窓、換気扇などに防虫網を設置します。
特に、ネズミは飲食店の天敵といえるでしょう。厨房内に入ったネズミは、夜に厨房内の食品を食い荒らしたり厨房内で糞をしたりと、一度侵入を許すと大きな被害となってしまうことが多いです。

店舗の広さ

開業する飲食店が取り扱う食品の量に応じた適切な食品保管スペースを確保することが重要となります。
十分な食品保管スペースを確保できないと、食品を作業台の上に置かざるを得なくなったりして、衛生管理上の問題が生じてしまいます。

排気設備

蒸気や油煙が発生する場所の上部にフードと排気ファンを設置します。
中華料理店の場合には特に油煙の量が多いので、できれば定期的にダクトの清掃業者を入れるとベターです。

換気設備

店内全体を換気が適切にできる構造にする、または設備を設置する必要があります。
換気扇を最小限におさえ、窓を利用した自然換気とすることもできますが、日本の夏はとても暑く、冬はとても寒いので、窓を利用した自然換気ができるシーズンはとても限られてしまいます。設計者や施工業者と相談して、十分な換気設備を導入しましょう。

照明

厨房は50ルクス(※1)以上、客席は10ルクス以上確保しましょう。
一昔前は、少し薄暗い客席が流行っていた印象がありますが、現在は住宅をはじめ飲食店も明るい店内が好まれる傾向にあります。高級レストランなどは少し薄暗いくらいが雰囲気が出てちょうど良いですが、そうでなければ明るい店内とした方が良いでしょう。

※1 ルクス・・・簡単にいうと、照明により照らされる面の明るさを数値化したものです。

床・内壁・天井

なるべく清掃、洗浄、消毒できる材料を使うと良いでしょう。
ほとんどの飲食店では、床をモップがけすることになるかと思います。その場合は、不浸透性の材料を使いましょう。

内壁は、全てクロス(壁紙)にしてしまうと拭き掃除ができません。なので、腰から下(床から90cmまでの高さ)をつるつるした材料(多くの場合はメラミンなど)を張ることによって、腰下の拭き掃除が可能となります。

排水設備

店舗に対して十分な機能を有する排水設備を設ける必要があります。
特に厨房には、油が排水管や側溝に詰まらないように、また雑排水の方へ一緒に流れていかないようにグリーストラップを設置する必要があります。グリーストラップにたまった油を放置すると排水の流れが悪くなってしまうので、グリーストラップを定期的に洗浄する必要があります。

給水設備

井戸水を使用する場合には、必要に応じて消毒装置、浄水装置を設置し、水源は外部から汚染されない構造とします。
また、1年に1回以上水質検査を行う必要があります。

終わりに

いかがでしたでしょうか。

今回は飲食店開業に最低限必要な設備についての概観を説明しました。まだまだほんの触り程度ですので、内容自体は十分ではありませんが、これから初めて飲食店を開業される方が概観を知るには十分な内容かと思います。

気になる設備についてはご自身で調べてみたり、施工業者に聞いてみたりするとより知識が定着すると思います。

今後、必要な設備について掘り下げた記事を書いていきますので、よかったら読んでみて下さい。

ここまでお読みいただきありがとうございました。


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